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ある手紙での相談

ペンネーム:半兵衛さん


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もう二十年近く前、まだ私が渋谷にある某大学の学生だった頃の話です。今でも時々思い出すたびにモヤっとなります。

当時私が在籍していた大学のクラブ(サークル)は、司会やDJ系の活動・研究を主に行っており、その活動の性質上よくイベントの司会やサポートのバイトをする機会があったんです。
そうしたイベントのバイト先で何度か一緒になったのが、某マンモス大学所属のSさん。

このSさんという方が強烈な霊感体質らしく、よく休憩の合間にその手の体験談を聞かせてくれました。また、色々な人からその手の相談事を受ける事も多かったようです。
そして、何度目かのバイト先で会った際、休憩中にSさんが、
「そういえば、今ある相談を受けているんだけど、どうしたもんかなぁ……」
と言って聞かせてくれた話が以下の通りです。
(なるべく伝わり易い様、簡潔に記します)

最近Sさんに、彼のある知り合いの女性から手紙が届いたという。その女性は、その手紙が届く2年程前に引越しをしていったらしく、その引っ越し先から送られてきた。
そこには、彼女が「2年前に見た」ある夢に関する相談内容が書かれていた。

2年前、引越しをする少し前に、彼女には年の離れた妹さんが出来た(つまりお母様が久しぶりにご懐妊なさった)らしいのだが、その妹が生まれて間もなく、同じような内容の夢を3日続けて見た、と言う。

最初の夢は、見知らぬ建物のある一室に自分がいた。
そこには彼女の母親もいる。
ただ、母親の手には、血まみれになった包丁が握られており、母親はニタニタと常軌を逸した表情で笑って座り込んでいる。
ふとその横を見ると、そこには血まみれになった、幼い女の子の首が転がっている。

よく見ると生まれたばかりの妹に似ている、似ているけど、少し、 違う。
赤ん坊から、少しだけ成長した「幼女」の顔つきになっている。
間もなく、母親が包丁を振りかざし、自分を追ってくる。

そこで目が覚める。

二日目。全く同じ夢を見る。

三日目の夢。

包丁を振りかざした母親が自分に襲いかかってきた。慌ててその部屋から逃げる。
隣の部屋に助けを求めて入った。が、その部屋の住人らしき人が、血まみれになって倒れている。既に母親に殺されていた。
その部屋に、母親が血だらけの包丁を握りしめ飛び込んできた。

そこで、目が覚めた。

……以上が、その夢の内容らしい。

ただ、何故彼女が今になってこういった手紙をよこしたかというと、引っ越し先のマンションが、その当時夢で見たのと全く同じ建物であり、同じ造りの部屋だった。最初に気付いた時は、少し気味が悪いな、という程度だったのだが、現在妹はそろそろ2歳。
そして、母親の様子がここ最近おかしい。メンタルを若干やられている。

どうも、育児ノイローゼのようだ。 ……一体、どうすればいいでしょうか、というのがその手紙の相談内容だった。

残念な事に、この話を聞いて以降、そのSさんとも会う機会がなく、連絡先も交換していなかったので後日談は分からないままです。
あの後うまくしのいでくれている事だけを願っています。

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