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横断歩道の怪

ペンネーム:しげちゃんさん


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私が夜中、ドライブをしていたときに体験した話です。その日、私は手に入れたばかりだった新車を運転したくて、特に行くあても決めずに、ドライブを楽しんでいました。気が付くと、すでに夜で帰宅することにしました。

家の近くに来た頃には、すでに深夜で人通りがほとんどありません。家に帰るときに、必ず通る病院の前に差し掛かりました。

この病院の前には横断歩道がありますが、信号は無く、人が通らなければ止まることなく進むことができます。その日はすでに深夜ということもあり、きっと、スムーズに進めるだろうと思っていました。しかし、いざ、横断歩道の近くまで車を進めてみると、小さな影が動いています。少し速度を落とし、近づいて行くと、人であることが分かりました。

老人です。そのお爺さんはどうやら、横断歩道を渡りたいらしいので、私は車を止めて、お爺さんが渡り切るのを待つことにしました。私の車を横断歩道の手前で止めると、お爺さんはゆっくりと道路を渡り始めました。
(……これは渡り切るには、ちょっと時間が掛かるなぁ)
と思い、ちょっと目をそらして、また横断歩道に目を向けたときです。(えっ!いない!?)
私がお爺さんから目を離してから、数秒程度です。

あんなにゆっくり歩いていたお爺さんが、一瞬の内に消えてしまったのです。キョロキョロと辺りを見回しても、影も形もありません。私はすっかり怖くなってしまい、急いで家路に着きました。それ以来その道は通っていません。

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