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浮かび上がる手

ペンネーム:当時小学生さん


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私が小学生の頃のお話です。修学旅行に行っているときは、お化けがいるとか、特に感じませんでした。家に帰ってきても、特に変わったことはなく、しばらく平穏な毎日が続きました。

そんなある日、修学旅行先に持っていったカメラの現像が終わったので、私は写真を眺めていました。
「ああ、ここではこれがおいしかったな」とか、
「ここでは、こんなものが展示されていたな」とか、
修学旅行先の光景を思い浮かべていると、一枚の写真に目が留まりました。それは、ある観光名所での写真、仲のよい友達と一緒に写っている写真でした。数名が集まっていて、皆、それぞれがポーズを取っています。私が写っていて、その隣、仲のよい友人のひとりがふざけているのか、お菓子の筒を持って写真に写っています。私は思わず吹き出してしまいました。

翌日、その友人に写真を見せ、なんでこんなポーズを取ったのか? と聞いてみることにしました。すると、相手は真っ青な顔をして、
「こんなお菓子持ってないよ」
と言うのです。私はまた、とぼけているのかと思い、もう一度訊ねても答えは同じでした。お菓子を持っていないと言い張るのです。

「じゃあ、この手はなんなんだ?」と訊ねると、
「私の手じゃない、だって、手が出ている位置がおかしいよ」
私は改めて写真をよく見ると、たしかに手の位置がおかしい。私と友人の間に手だけが、お菓子を持ってボーッと浮いているような状態なのです。もちろん、私と友人の間に人はいなかったし、入り込むスペースもありませんでした。私たちのうしろにも、何人か人は立っていましたが、皆、両手は写っています。とても不気味な写真だったので、処分してしまいましたが、今でも忘れられない写真です。

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