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黒い影

ペンネーム:あぶらかたぶらさん


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これは、私がまだ大学生だった頃に体験した話です。
もともと霊感が少しあったのですが、あの日に見たものは本当に不可解でした。

ある夏休み、友人の誘いでそいつの知人の別荘へ遊びに行く事になりました。
総勢10名位が現地集合で来るとの事でしたが、車で道に迷い私達が一番遅く夜10時頃に到着しました。そこはT県の海岸近くにポツンとあったのですが、別荘の近くまで来たところで濃い霧が突然立ち込めて来ました。今から思うとその時既にいやな雰囲気が漂っていましたが、別荘に着くと更に私は何とも重苦しい感じに襲われました。

ただその時はせっかく遊びに来たので友人にもその事は話しませんでした。その夜は深夜まで騒ぎ、大広間に全員横一列になって寝始めたのは確か午前2時頃だったと思います。私は左端から3番目に横になりました。そこは最初に別荘に入った時にとてもいやな感じがしたシャワー室の前でした。

部屋も暗くなりそろそろ寝ようとしたその時、何とシャワー室から黒い影が這って現れたのです。目を凝らすとすぐにそれは人?だと分かりました。その影は唖然としている私の足先を横切り右の方へ進んで行きました。その時点では私以外だれもこの状況は判っていませんでしたが、一番右端にいた私の友人が突然起きあがったのが判りました。

私は冗談で『足でもつかまれたか』と彼に声を掛けたのですが、無言のまましばらく起き上がったままの状態でした。その内彼が這ってこちらに来るのが見えました。私の前に来た彼は『今誰かに足を掴まれた』と震えながら言いました。その瞬間、例のシャワー室からものすごい音がしました。電球の破裂する音や物がぶつかる音……。

その頃には全員が起き出し大騒ぎになりました。しばらくすると何もなかったかの様に別荘は静まりかえりました。
あの夏の日のことは本当に不可解でしたが、最後に友人が言った『おれ、靴下履いていてよかったよ』は何だか笑えました。

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