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怖かった乞食

ペンネーム:なに…?さん


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小学校低学年の頃の話です。親と兄2人が出かけてしまい一人で留守番し、絵を書いてる時に、
「ゴメンなんしょ~ ゴメンなんしょ~」
と掠れた声が聞こえたので玄関の扉を開けると、頭には水玉の手ぬぐいを被り、服は赤白のつぎはぎのボロボロで背中にカゴを背負い片手には草刈鎌を持った男が立っていました。

「誰もいないよ!」
と言うと、
「いきなり 本当か?」
と大きい声で言われ怖かったのを覚えてます。そしてご飯かお金くれないかと言ったので、茶碗にご飯を少し入れ
「はい」
と言って渡すと、
「これしかないのか?」
と言うので
「これだけ」
と言ったら、
「どれ、家の中に入れろ! あるかないか見てやるから」
と言うので私はハッキリ、
「知らない人はダメ!近所の人呼んでくるよ」
と言うと鎌を私に近付け、少し間をおいてから、
「また来るよ!今度は一杯出してくれる様に親に言っとけ!」そう言い鎌を振り回しながら帰って行きました。

当時は乞食だというのがわからなかったし、変な服を着た知らない恐いオジちゃんが来たので親が帰ってくるまで蚊帳の中に入り震えてました。親が帰ってから出来事を言うと親は乞食きたのか? 田舎では珍しくないらしく、しかも当時は年に数回どこの家にも現れたそうです。本当に子供の時のこんな恐い体験は大人になっても忘れないものです。

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