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井戸端マンション

ペンネーム:お姉ちゃんさん


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実家が引越しをしたと聞いたので、遊びに行ったときに体験したお話です。その日、私は子供を連れて実家に向いました。たまたま、両親は留守で、妹が私を迎えてくれました。

きれいなマンションだったのですが、どこか重たく、暗い印象のマンションでした。しばらくは妹と他愛もない世間話に花が咲いていたのですが、どうも妹の様子がおかしいのです。どうしたのかと訊ねると、
「ひとり、マンションで留守番をしていると人の話し声が聞こえるんだ」
と言うのです。

元々、私の家系はそういった者を聞いたり、見たりできる人が多かったので、私は大して驚かなかったのですが、やはりいい気分のするものではなく、
「どこで聞こえるの?」
と訊きました。

妹は返事をする代わりに私をリビングの隣にある、客間に通しました。そこは、窓がなくどこかじめっとしていて、カビ臭い部屋でした。
「なにも話さないで、静かにしていると聞こえてくるんだよ」
妹の言葉に従い、なにも話さずじっとしていると、たしかにその妙な声が聞こえてきました。それは声の調子からどうやら中年女性の声のようで、何人もの女性がなにか話をしているようなのです。妹もやはりの女性の声を聞いているようで、真っ青な顔をしていました。

私たちはそれからしばらくしておつかいに出かけ、夕暮れ時にまた実家のあるマンションへと帰りました。妹が玄関を開けたとき、楽しげな笑い声と複数人の話し声が聞こえたので、ああ、両親が帰って来たのだなと思いました。妹のあとを追って、リビングに入ると、誰もいません。

私は妹に、いま、人の笑い声がしなかったか? と訊ねると、やはり妹の顔はスーッと白くなり、私にも聞こえたのかとそう漏らしました。これにはさすがに私も背筋が凍りつくようでした。

そして、このマンションで決定的な出来事だったのが、写真を撮ったときの話です。テレビをバックに妹と私の子供を写したものだったのですが、妙なものが写っていました。

にこやかに笑う妹と子供の背後、つまりテレビに私の顔が半分写りこんでいたのです。最初の内は、たまたま私の顔がテレビに反射して写りこんでしまったのだと思っていたのですが、よくよく考えてみるとそれは変なのです。その私の顔はテレビの端っこに写りこんでいたのですが、その位置に私の顔が反射することは絶対にないのです。

私はこの写真を一目見ると、恐ろしくなり、お寺にその写真を届けました。

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